GOOD AQUARIUM Design Award

2025 エントリー作品

06　さかなのひみつ

2025-06
プロダクト / アクアリウムケア用品
鶴田石材株式会社

天然鉱石の力で魚と水を整える、手軽で新しいアクアリウムアイテム

【作品概要】
創業97年目の砕石業者が開発した「さかなのひみつ」は、観賞魚の飼育をサポートするアクアリウムケア用品です。三重県鳥羽市産の磁性かんらん岩をメッシュ袋に封入し、袋のまま水槽に投入。微弱な磁気とミネラルにより魚の活性化や水質の安定化を促します。和金幼魚を用いた実験では、1年間で稚魚の平均体重が通常の約1.5倍に増大し、水の透明度も維持されました。水換えの頻度が減るなど、日々の管理負担の軽減が期待されます。効果は半永久的で環境に配慮した設計で、デザイン性も高く、インテリアとしても美しく調和します。現在は研究機関や水族館、教育現場との連携も進んでおり、今後さらなる展開が期待されています。

【デザインが生まれた理由／背景】
本製品は、砕石業を営む企業が長年にわたり向き合ってきた「産業廃石の有効活用」と「自然との共生」という課題意識から生まれました。名古屋産業科学研究所の研究により、磁性を帯びた天然鉱石が水質や魚の活性に良好な影響を与えることが示唆され、それを受けて魚の健康と水質の安定を両立する製品の開発に至りました。アクアリウム初心者や小さな子ども、高齢者、福祉施設などでも扱いやすいよう、薬品や電源を一切使わず、袋のまま水槽に入れるだけで効果を発揮するシンプルな構造としました。白を基調としたメッシュ袋は、インテリアに馴染む美しさと通水性・耐久性を兼ね備えています。添加物を使わず自然素材のみで構成され、半永久的に使用できる本製品は、ナチュラル志向・サステナブル志向が高まる現代のライフスタイルにも調和します。水槽のある暮らしを、誰もがもっと手軽に、安心して楽しめるように。そんな想いを形にしたアイテムです。

【企画開発者・デザイナーの思い】
観賞魚と暮らす人々が、水質管理をもっと手軽に行い、魚に快適な環境を整えられるよう開発を進めました。大切な魚たちが暮らす水槽の中で使用されるからこそ、生体への影響や見た目の安心感にも細心の注意を払い、角をすべて落とした丸みのある形状に仕上げています。視覚的に柔らかくなるように、タグには六角形のフォルムと優しい印象の書体を採用し、水にそのまま入れられる紙質を使用。単に効く道具ではなく、置きたくなる存在を目指したデザインです。「さかなのひみつ」という名前には、魚が元気になり、水が澄みわたる「ひみつのような力」を持つ製品であること、そしてこの製品が、砕石業という産業が自然と調和できる未来を切り拓く「ひみつ兵器」になってほしいという願いを込めています。今後もこの製品を通じて、魚たちの暮らす環境だけでなく、そこに関わる人の暮らしや心も少しずつ豊かにしていけるよう、これからも取り組みを続けてまいります。

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