GOOD AQUARIUM Design Award
グッドアクアリウムデザイン賞2020 受賞
受賞対象名 | 植物プランター式ろ過装置「せせらぎ室内ビオトープ」 |
事業者名 | 株式会社西条庭園 |
カテゴリー | プロダクト |
一般名称 | 自然循環式ろ過装置 |
飼育生体 | 熱帯魚・金魚・錦鯉 |
発売日 | 2010年5月1日 |
URL | ホームページ |
サイズ | 600×170×130 (mm) |
重量 | 6kg |
販売価格 | 33,000円(60cm型用) |
植物の力で半永久的に水を浄化し続ける地球にも人にも優しい、
持続可能社会にふさわしい商品です。
【作品概要】
観賞魚水槽と植物を組み合わせ、自然の力で水を半永久的に浄化し続けることができる、持続可能社会にふさわしい環境負荷低減商品です。既存の水槽にそのまま取り付けることができます。水質をきれいな状態に保つことができ、日々のメンテナンスが、足し水と数ヶ月に一度程度の簡易な掃除のみとなり労力が激減するとともに、フィルターなどの消耗品類の大幅な削減となります。溶存酸素も高く維持されるためエアレーションも不要。ボックスの素材は廃プラスティックを用いた再生品で、使用する竹炭は取り替える必要がなく繰り返し使用できます。
【デザインが生まれた理由/背景】
2005年に広島大学中根周歩教授の環境問題をテーマとしたCO2削減のための研究の一環で、竹炭を用いた屋上緑化システムを開発していた際、その屋上緑化システムを通した雨水を再利用のためタンクに貯めていました。その雨水に、何の気もなしに夜店ですくった金魚を入れていたところ、金魚が大きく育つことを発見、ここからヒントを得て、竹炭を用いた屋上緑化の仕組みを、小型の水槽用に再設計したのが開発の始まりです。水が浄化される仕組みは、当初理由が分からなかったため、近畿大学に調査を依頼したところ、ボックス内に好気バクテリアと嫌気バクテリアの双方が存在し、これらが水を浄化していることが分かりました。試行錯誤を繰り返した結果、持続可能社会にふさわしい、今の時代にマッチした商品が完成しました。
【企画開発者・デザイナーの思い】
単純な仕組みのように見えて試行錯誤の連続でした。当初、水がうまく浄化されず、逆に竹炭から排出される木酢で魚が死んでしまうことがありました。水を落とす穴の形状に工夫を加え、より効率的に水中に酸素を送り込む仕組み(特許取得)をつくりました。また、竹炭から木酢が排出されないよう処理方法に工夫を加えました。こうして生まれたこの技術は、造園とアクアリウムとの業種間の融合をさらに繰り返すことでで、巡り巡って再び屋外庭園でも活用できることを発見しました。雨水を利用して鯉などを屋外で飼う池でも同様の効果があり、屋内の水槽と比べて格段に大変な池のメンテナンス軽減に役立っています。今後は、この水質浄化システムを、さらに国内外での別の水に関わる業界と融合し、持続可能社会の実現に向けて、世界で起こる様々な環境問題と人々の日々の悩みを解決できる商品として進化を続けていければと思います。
【審査員コメント】
「アクアポニックスの考え方から生まれた竹炭を使った水質浄化システム(ろ過装置)です。」岡本信明氏
「アイデアは良い。環境にやさしく、メンテの手間も省ける。」舛添要一氏
「実証実験を済ませており実用性が高い。デザイン性を高めることが今後の参加性につながるだろう。」横溝賢氏
「“屋上緑化”の仕組みをアクアリウムに使うという試みは面白い。」谷中政之氏
「上部フィルターに観葉植物を植える人はよくいますが、それをより実用的にしたおもしろいフィルターだと思います。植物が好きな人にもアクアリウムを始めるきっかけにもなればと思います。」松端秀明氏
「オーバーフローの場合ポンプが問題となることが多いので、ポンプを水中ポンプに変えた事が良いと思う。」富澤直人氏
「植物による浄化はエコな発想ですし、室内緑化にもつながります。それで手間が軽減されるとなれば実用性もある。」山口正吾氏
「イメージは良い。」黒田誠氏
「自然の力で水を浄化できる点とても良いと思います。水槽+植物が組み合わさることで、また新しいレイアウトが生み出されそうです。メンテがしやすい所が良いと思いました。」一般審査員
「本来、水槽を使う時に利用される竹炭を用い、更に機能を残すことができていることを素晴らしく思います。」一般審査員